翌朝、瀬戸内の海岸沿いをひた走る「はやぶさ」。
補助席に乗っかり車窓を眺めながら、上機嫌で「どろろんエンマくん」の主題歌の一部をリピートで歌い続ける長男。
定刻より1時間半遅れで熊本に到着。
乗車時間は19時間。
地球の反対側にまで行ける時間だよ。
なんて贅沢な列車なんだろう。
熊本駅のホームで
「このブルートレインお菓子号(カミさんが命名)は、お父さんが生まれる前から走ってたんだけど、もうすぐなくなっちゃうんだよ。もう乗れなくなっちゃうんだ」
と言うと、しばらく列車をじっと見つめ
「そーか」
とひとこと。
この旅が、
お前の記憶の片隅にいつまでも残るといいんだがな。
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